前回の記事では、AI知識ほぼゼロの状態からAntigravityを使って、このブログサイトを立ち上げるまでを書きました。
数時間でサイトが形になるスピード感に驚いた一方で、「確認が多すぎて、AIを使っているはずがAIに使われている感覚になる」という違和感も覚えました。
AIがトップスピードで走るために、人間は画面にかじりついて確認の返事をし続ける……。「指示を出して、あとは待つだけ」なんて状態にはほど遠く、終わった頃にはすっかり疲れていました。
KATSUYA ARAI
作業が終わったり確認が必要なタイミングで、スマホに通知が来るようにしたらいいんじゃないか?
そう思いついたのが、今回の始まりです。
しかし、その設定を進める中で、また一つ大事な事実に直面することになりました。それは、「AIも普通にミスをするし、平気で遠回りな提案をしてくる」ということです。
DiscordやSlackを使った通知連携
さっそくAIに相談してみると、返ってきた提案はとても頼もしく、自信に満ちあふれていました。
KATSUYA ARAI
タスクが終わったり確認が必要なときに、スマホに通知を飛ばせるようにできる?
作業完了時に通知スクリプトを実行しましょう!DiscordやSlackのWebhookを使えば、スマホへリアルタイムに通知を送信できます!
KATSUYA ARAI
なるほど、外部のチャットツールに通知を流せば、スマホですぐに気づくことができるな。
AIの知識がほぼゼロの自分としては、「さすがAI、そんな方法まで知っているのか」と感心し、その提案に乗って作業を進めることにしました。
DiscordのWebhookを使ってみる
やり方を教えてもらい、言われた通りに設定を進めること数分。あっという間に設定は完了し、Antigravityからテストの通知を送信してもらいました。
スマートフォンに通知は届きましたか?作業完了時にこのようにお知らせいたします。
KATSUYA ARAI
おお、ちゃんと届いた!これでPCから離れても状況がわかるようになるぞ。
……と、ここまでは順調そのものでした。
鳴らない通知とその理由
これでPCから離れて作業ができると思ったのも束の間、実際に開発を進めてみると、思いがけない問題が発生しました。
AIが作業を進める中で確認が必要なタイミングになると、PC側からは通知音が鳴るのですが、肝心のスマホ(Discord)には一向に通知が届かないのです。
テスト送信のときはスムーズに届いていたのに、なぜ実際の作業中には鳴らないのか? 調べてみると、非常にシンプルかつ盲点となる理由がありました。

仕組みは以下の通りです。
- Discord通知の仕組み
AIが設定してくれた通知は、「タスクが完了した後に、AI自身がスクリプトを実行してDiscordへ送信する」というものでした。 - 確認待ちの仕組み
しかし、作業途中の確認ダイアログは、Antigravityが安全のために「AIの動作を一時停止させて、人間の許可を待つ」という状態です。
つまり、「AI自身が停止させられているため、通知スクリプトを実行できなかった」のです。
「スマホに通知を送りたい」という要望に対してWebhookを提案してくれたAIでしたが、「自分が停止させられたらスクリプトを動かせない」という構造的な問題を見落としていました。
Remote Controlという公式の機能
どう解決しようかと調べていたとき、ある事実に気づきます。
そもそも、Antigravityには「Remote Control」という公式機能がありました。

Remote Controlは、AIが動かすスクリプトではなく、Antigravityのアプリ本体とスマホが直接通信する仕組みです。
- AIが止まっていても通知が届く
AI自身が承認待ちで一時停止していようが、システムがスマホに直接Push通知を飛ばしてくれるため、確実に届きます。 - スマホからその場で再開できる
スマホの画面上で「いま何の確認で止まっているか」が見え、そのまま「許可」をタップすれば作業が再開します。PCの前に戻る必要すらありません。
わざわざDiscordの設定をしたのは何だったのか……。
KATSUYA ARAI
Remote Controlっていう機能があれば、通知の問題は解決できるんじゃない?
そちらで全て解決できます。
と、あっさり返ってきました。
AIもミスをする前提で付き合う
今回の出来事を通じて得た一番の学びは、「AIの言うことを100%鵜呑みにしてはいけない」ということでした。
AIは知識が膨大で、どんな質問にもスラスラと自信満々に答えてくれます。しかし、過去の学習データにある「世の中でよく使われている一般的なやり方」を反射的に提案してしまい、「目の前にある、もっとシンプルな方法」を見落とすこともあるようです。
ものすごいスピードで作業をこなしてくれる相棒ですが、勝手に複雑な遠回りをしてしまうこともあります。
どれだけAIが頼もしく見えても、
- 「それが本当に一番シンプルな方法?」
- 「わざわざ外部ツールを繋がなくても、標準機能でできない?」
と、人間側が冷静にツッコミを入れる視点が不可欠なのだと感じました。
これからのAIとの付き合い方
通知を自動化しようとした結果、AIに振り回されてしまいましたが、最終的には「Remote Control」を使って「画面に張り付かずに進める」スタイルへと一歩近づくことができました。
AIは優秀ですが、完璧ではありません。「ものすごく仕事は早いが、たまにポンコツな提案をしてくる相棒」くらいに捉えて、人間がうまく手綱を握ってあげる必要があると思います。
それが、AIと長く、心地よく付き合っていくためのコツなのかもしれません。


