これまでのAIとの関わり方は、Geminiを開いて、ちょっとした質問を投げかける程度でした。AIに関する専門的な知識は、正直なところ「ほぼゼロ」の状態です。
世間では毎日のように「AIで業務効率化」「AIがコードを書く時代」と言われていますが、デザインの仕事に携わる中で、ずっと気になっていたことがありました。
KATSUYA ARAI
AIって、実際の制作や業務の中で、どこまで使えるんだろう?
便利そうだと眺めているだけでは、本当のところはわかりません。それなら実際に触ってみて、どこまでできるか試してみようと思い立ちました。
検証にあたって、普段からGoogleのサービスに馴染みがあったこともあり、Google AI Pro を契約。相棒として、Googleの Gemini と Antigravity を使ってみることにしました。
まずは検証を記録するブログをAIで作る
AIがどこまで実務に活かせるのかを試すなら、その過程や試行錯誤をそのまま記録できる場所がほしい。そこで最初のステップとして、「検証結果をアウトプットするためのブログを、AIと一緒に作る」ことにしました。
noteなどの既存サービスを借りるのではなく、デザインもコードも触れられるように、ゼロからサイトを立ち上げてみます。AIの知識がほぼゼロの状態から、はたしてどこまで形にできるのか。まずは発信の土台づくりからスタートしました。
想像以上のスピードと、思わぬ違和感
実際にAntigravityを使って作業を始めてみると、最初に驚いたのはそのスピード感でした。
KATSUYA ARAI
検証結果をまとめるブログサイトを作りたいから、まずは要件定義から進めて!
承知しました!まずはどういった構成で作るか、要件定義から決めていきましょう。表示が速くて、公開後の記事管理もしやすい以下のモダンな構成がおすすめです。
ざっくりとした要望を伝えただけで、AIの方から今回のブログに最適な技術構成を提案してくれました。
- フロントエンド: Next.js (App Router, TypeScript)
- スタイリング: Sass (SCSS)
- ヘッドレスCMS: microCMS
- ホスティング: Vercel
さらにそのまま、サイトのディレクトリ設計やAPI連携のコードまで、あっという間に土台が組み上がります。プロジェクトの初期設定からmicroCMSの連携、Vercelへの公開設定まで、自分ひとりなら数日から1週間はかかりそうな工程が、わずか数時間で進んでいきました。
ただ、そのスピードに驚く一方で、少しずつ奇妙な感覚を覚えるようになりました。
AIを使っているはずが、AIに使われている?
AIとの作業は、「指示を出して、あとはコーヒーを飲んで待つだけ」というものではありませんでした。
要件定義と初期設計ができました。この構成で進めてよろしいですか?
KATSUYA ARAI
おお、もうできたの? はい、お願いします!
実装が完了しました。パッケージを追加するので、コマンドの実行を承認してください。
次はmicroCMSと繋ぎます。APIキーとサービスドメインを教えてください。
公開設定に入ります。DNSの設定を確認してください。あと、ヘッダー用のロゴ画像も用意してください!
KATSUYA ARAI
ちょっと待って、今用意するから……!
AIはものすごい速さでコードを書き、環境を整えていきますが、その合間に次々と「人間の判断と確認」を求めてきます。
休む暇もなく飛んでくる確認メッセージに、画面にかじりついて返事をし続ける時間。ふと我に返ったとき、こんな思いがよぎりました。
KATSUYA ARAI
……あれ? AIを使っているはずなのに、完全にAIに使われていないか?
AIが人間を楽にしてくれるというより、AIがトップスピードで走るために、人間が必死で伴走させられているような感覚です。実際に手を動かしてみて初めてわかった、リアルなギャップでした。
数時間で整った発信の土台
それでも、目まぐるしいやり取りを続けた結果、数時間後には独自ドメインでブログを公開できる状態までたどり着きました。
記事の管理にはmicroCMSを繋いだので、毎回PCでコードを書かなくても、管理画面やスマホから記事を投稿できる環境が整っています。知識ゼロの状態から、ひと晩でここまで形になったことには素直に驚きました。
おわりに
とはいえ、このブログもまだ最低限の土台が動いた段階にすぎません。デザインの細かな調整や検索機能、SEO対応など、手を加えたい部分はたくさん残っています。
今回まず一歩目を踏み出してみて感じたのは、AIは「丸投げすれば何でも勝手に終わらせてくれる魔法」ではなく、「ものすごい速さで一緒に手を動かしてくれる相棒」だということでした。
これから実際の制作の中でAIとどう向き合い、どこまでサイトを育てていけるのか。続きの開発を進めながら、その試行錯誤の過程もこのブログで書いていきたいと思います。
ちなみに、この記事もAIに手伝ってもらいました。土台をAIに作ってもらい、ニュアンスや表現を自分で調整して投稿しています。文章を形にするスピードも、ひとりで書くより明らかに早くて驚いています。


