自作DTMプラグインで「他のエフェクター」も作ってみた

自作DTMプラグインで「他のエフェクター」も作ってみた
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前回、AI(Antigravity)にお願いして、オーバードライブの自作プラグイン「PureDrive」を作りました。

「AIにお願いしたら、それっぽい音が出るものを自作できるのかな?」と試してみたところ、思いのほかちゃんと歪むプラグインが完成しました。

1つ動く土台ができると、「同じ仕組みを使えば、他の種類のエフェクターも簡単に増やせるんじゃないか?」と気になってきます。

そこで今回は、前回の仕組みをベースにして、他のエフェクターも作ってみることにしました。

まずは空間系のフェイザー「PurePhase」

オーバードライブ(歪み)の次に試してみたのが、音がシュワシュワと揺れる空間系エフェクターの「フェイザー」です。

音響処理の専門的な仕組みまでは詳しくないので、まずはシンプルに「フェイザーも作れる?」とだけ聞いてみました。

KATSUYA ARAI KATSUYA ARAI

この前作ったオーバードライブの仕組みをベースにして、フェイザーも作れる?

Antigravity Antigravity

作れます!プラグインの土台はそのまま流用して、音声処理の部分に定番のアナログフェイザー(Phase 90系)のような4段のフィルター回路を組み込みます。

お願いして数分待つと、オレンジ色の筐体に4つのノブ(SPEED / DEPTH / FEEDBACK / MIX)がついた「PurePhase」が出来上がりました。

こちらからは「フェイザーを作って」としか言っていませんでしたが、

  • 揺れの速さや深さを調整できる4つのノブ
  • 左右のスピーカーで音が広がるステレオ処理

など、AIが最初から定番の構成を勝手に考えて組み込んでくれていました。

前回のPureDriveのときは、「ザーザーいうノイズの方が大きい」「エフェクトをONにした方が音が小さい」といった初心者でも分かるレベルの不具合がありましたが、今回はそういった問題もなく、最初から「お、本当にフェイザーっぽいシュワシュワした音が出てる!」というものが一発で完成してしまいました。

自作フェイザー「PurePhase」のGUI画面
自作フェイザー「PurePhase」のGUI画面。オレンジ色の筐体に4つのノブ。

Logic Proでも自作のペダル画面を表示させる

プラグインが2つになったところで、1つ気になっていた見た目の部分をお願いしてみました。

Macの単体アプリとして起動したときは自作したペダルの画面が表示されるのですが、Logic ProなどのDAWの中でプラグインを開くと、DAW標準の「味気ないスライダーだけの画面」が表示されていたのです。

KATSUYA ARAI KATSUYA ARAI

Logic Proでプラグインを開いたときも、単体アプリと同じペダルの見た目(GUI)がそのまま出るようにできる?

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可能です。Mac標準の描画機能(Cocoa UI)をプラグイン規格に直接繋ぎ込んで、DAWのウィンドウ内でも同じペダル画面が表示・操作できるように実装します。

こうして、Logic Proの中で開いても、オレンジや緑のペダル画面がそのまま表示されてノブを回せるようになりました。

好きなバンド名を伝えて作ってもらった「PureHeavy」

フェイザーがすんなり作れたので、3つ目として「もっと激しく歪むやつ」も試してみることにしました。

ただ、音作りの知識があるわけではないので、「こういう周波数で、こういう回路にしてほしい」といった専門的な指示はできません。
そこで、個人的に好きなロックバンド「Rain City Drive」の名前を出して、「あのバンドみたいな激しい歪みも作れる?」とざっくり聞いてみました。

KATSUYA ARAI KATSUYA ARAI

次はもっと激しいハイゲインな歪みを作ってみたいんだけど、Rain City Driveみたいな重くて激しい音って作れる?

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作れます!あのバンドのような、低いチューニングでも音が濁らないモダンな歪みを作るなら、歪ませる前に低域を引き締める「TIGHT」回路を入れるのが効果的です。
4段階のハイゲイン増幅に加えて、3バンドのイコライザー(BASS / MIDDLE / TREBLE)、スピーカーの箱鳴り感を出すキャビネット処理、さらに無音時のノイズを消すノイズゲート(GATE)までまとめたペダルにしましょう。

好きなバンド名を1つ伝えただけなのに、AIが勝手にその音の特徴を分析して、「それならこういう機能とノブが必要ですね」と全部組み立ててくれました。

出来上がった「PureHeavy」は、黒と水色を基調にした筐体に7つのノブが並ぶ、これまでで一番本格的な見た目になりました。

自作ハイゲインプリアンプ「PureHeavy」のGUI画面
自作ハイゲインプリアンプ「PureHeavy」のGUI画面。黒と水色を基調にした7ノブ構成。

実際に鳴らしてみると、最初のオーバードライブとは全然違う、ズシッとした激しい歪みの音が出ます。細かい音の良し悪しまでは分かりませんが、「おー、なんかそれっぽい激しい音が鳴ってる!」とこれだけでも結構楽しめます。

Logic Proで音が出ないトラブル

ただ、これをLogic Proに読み込ませて弾いてみたところ、「ギターを弾いても一切音が出ない(無音)」というトラブルが起きました。

音の細かい違いは分からなくても、さすがに「音が出ない」のはすぐに分かります。

KATSUYA ARAI KATSUYA ARAI

単体アプリだと鳴るんだけど、Logic ProにPureHeavyを挿すと、ギターの入力がまったく反応しなくて無音になる。

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原因が分かりました。Logic Proの内部で音声データを受け渡す際のバッファ(メモリ領域)の指定方法にズレがあり、入力信号が途中で途切れていました。PureDriveなどと同じ受け渡し方式に修正します。

修正してもらうと、Logic Pro上でもちゃんと音が出るようになり、Apple公式の検証ツール(auval)も無事にパスしました。

まとめ

1つ目のプラグインを作ったときは、音を鳴らす仕組みやDAWの規格に対応させるまでに色々なトラブルがありましたが、一度動く土台ができてしまえば、別のエフェクターを増やしていくのはかなりスムーズでした。

しかも、今回新しいエフェクターを作るにあたって自分がやったことといえば、

  • 「フェイザーも作れる?」と聞くこと
  • 「このバンドみたいな激しい音にしたい」と伝えること

くらいでした。

「どんな回路を組むか」「どのノブが必要か」といった専門的な部分は、すべてAIがイメージから逆算して組み立ててくれます。

最初の1つを作るのには少し手間がかかりますが、一度ベースさえできてしまえば、あとはざっくりとしたイメージを伝えるだけで、いろんな種類のプラグインを次々と形にすることができました。

今回作ったプラグイン

  • PurePhase(4段フェイザー)
    • コントロール: SPEED / DEPTH / FEEDBACK / MIX
    • サイズ: 単体アプリ版 約98KB
  • PureHeavy(ハイゲイン・プリアンプ)
    • コントロール: GAIN / TIGHT / BASS / MIDDLE / TREBLE / LEVEL / GATE
    • サイズ: 単体アプリ版 約117KB